「コール天」と「コーデュロイ」。
小学生の頃までは「コール天」だったような気がします。
もちろん、同じものなんですが、自然とそう呼ばなくなりました。
中学生ぐらいになって、かあちゃんから「しんちゃんはコール天のジャンパーがよう似合うね」なんて云われると
「コーデュロイのことね、それとリーバイスやけん、リーバスやないけん、たのむばい」
そう面倒くさそうに反抗していた時期もありました。(かあちゃん、ごめんね)
コール天のどこか間の抜けた語感。
「コール天のみぞれあんかけ」はへぎ柚でものせれば、辛口の純米酒に合いそうですが
なんだかかっこわるい。
でも、調べてみると、由来がありました。
和名のコール天は「cord」+「天鵞絨(てんがじゅう、ビロードの和名)」に由来し、
コーデュロイは「cord+deroy(西イングランド発祥の毛織物) 」にルーツがあると。。。
コーデュロイはタオルと同じくパイル織物。
厳密云うと、タオルやベルベットは「たてパイル織」、
コーデュロイ、ベッチンは「よこパイル織」です。
品質を決めるのはつかわれている素材もありますが、「パイルの密度」です。
上質なタオルの肌触りがなめらかで、ぎゅうっと水を吸うのはパイルが密だから。
パイルを密にするのには、時間がかかるわけで
「うぉ、これは」と思うと、やっぱりいいお値段。
そういう意味で価格と品質が比例しやすい布地です。
畝幅いろいろ、つかいかたも、いろいろです。
コーデュロイの畝幅は3mm前後のものが一般的ですが
結構、あいまいに「太」とか「細」とか呼ばれているので
以下のように、畝幅で呼び名をつけました。
-極細(1mm未満)
-細(1mm以上2mm未満)
-中細(2mm以上3mm未満)
-中(3mm以上4mm未満)
-中太(4mm以上5mm未満)
-太(5mm以上8mm未満)
-極太(8mm以上)
また、畝の高い方が比較的にハリが強く
パリッとした感じになりやすいのですが
身体へのなじみやすさがあるものを仕入れています。
ぴよ〜んとなってるのはかっこいいものではありません。
畝幅別に適したスタイルを整理してみました。(画像をクリックすると、商品ページが開きます)
<極細コーデュロイ>
コットン×無地(シエナ)×極細コーデュロイ(¥1,180/m)
シャツ地程度の厚さなので、もったりしません。チュニック、ワンピースに。
コットン&ポリウレタン×無地(ブラック)×極細コーデュロイ・ストレッチ_全2色(¥1,380/m)
こちらのコーデュロイはパンツに超絶おすすめです。畝が低く、平坦でコーデュロイの野暮ったさがなく
かるくて、伸び戻りのいいストレッチなので、着やすさとスタイリッシュさがあって、最高です!(ライトグレーもいい色です)
<細コーデュロイ>
コットン&ポリエステル混×無地(ダークカーキブラウン)×細コーデュロイ・ストレッチ_全3色(グレイッシュベージュは完売しちゃってます)
スカートをつくられたお客様曰く、「すごく縫いやすかったし、ヘビーローテーションで着てるけど、へたれないいい布地」と好評です。
しっかりしていながら、しなやかさがある、いいコーデュロイ。ボトムスに◎。
コットン×無地(インディゴサックス)×細コーデュロイ(¥1,380/m)
冬の青空のような鮮やかなサックスブルーはインディゴ染め。濁った暖色(マスタード等)とコーディネートすると
かわいいと思います。
<中細コーデュロイ>
コットン&ポリウレタン×無地(ダークカーキ)×中細コーデュロイ・ストレッチ_全2色(¥1,380/m)
オーソドックスな風合いでも、ストレッチなので、すこしタイトなデザインでも着やすいと思います。
「もっさりしない」はコーデュロイ選びのポイント。パンツに!
<中コーデュロイ>
コットン×無地(ガーネット)×中コーデュロイ_全3色_イタリア製(¥1,880/m)
落ち着いた上品な光沢となめらかな表面。しっかりとした厚み、しなやかコシと身体に馴染みやすいやわらかさあるので
コートにおすすめです。あっぱれイタリア。
<太コーデュロイ>
コットン&カシミア×無地(カーキグリーン)×太コーデュロイ_全4色(¥1,580/m)
太畝のコーデュロイ選びはすこし慎重に。鬼コールと呼ばれる極太のコーデュロイはちびっこのパンツなんかはかわいいのですが、大人の方が着ると良いものでも、すこし幼稚な感じがしてしまいます。この太コーデュロイはカシミア5%混で、ふわふわとしていて、気持ちいいのと、毛羽自体はねているので、縫いやすさもあります。リラックスラインのパンツでしたら、これくらい太いコーデュロイの方が◎です。
あと、裁断と縫製ですが、大事なルールがあります。
裁断は「タテ地方向に表面を上下に触って、ザラリとしている方向(逆毛)を上にして、一方方向で裁つこと」
縫製は「しっかり、しつけ、ゆっくり、ゆっくり」です。
「多少毛並みが高いものでも、落ち着いてゆっくり縫えば大丈夫」とミホ先生も云ってました。
かるくて、あったかなハイテク素材をつかった服は便利ですが、「コール天」というどこかノスタルジックな響きを纏うのも
いいものです。ぜひ、チャレンジしてみてください。