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作例集FAB

FAB #046 Wガーゼの額縁キッチンクロス(メール便への挑戦状①)

建築家・隈研吾氏は「制約」について、こんなことをおしゃっています。
・ふつうは「制約」というと、マイナスの響きがある。それをいかに楽しむか、というのが建築という仕事
・「いくらかけてもいいし、場所も自由だから、好きなものを作ってください」と言われるとむしろ作れないかもしれない
(NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」より)

これはソーイングでも同じではないかと。
メール便でお送りできる布地は多くはありません。
でも、その「制約」から、あたらしい創作のアイデアや工夫が生まれるのではないかと思うのです。
アイデアが形になり、工夫がうまくいったときの喜びこそが「ものをつくる醍醐味」ではないかと思うのです。

メール便だと「こんなものしかつくれない」でも、「こんなものならつくれる」でもなく
「こんなものまでつくれるの?」というような作例(=挑戦状)をもって、メール便の可能性を探っていきたいと。。。

 

シリーズ第1回目の挑戦状は「Wガーゼの額縁キッチンクロス」。
メール便でお送りできるWガーゼは1mです。
が、大判(50×50)のキッチンクロスが4枚も作れます。4枚も!です(笑)

ただ、僕が強調したいのはその枚数(量)ではありません
こだわるのはその仕様、デザインです。
キッチンクロスは皿コップ用(赤)・鍋用(黄)・ダスター(青)など、色柄で使い分けたりしますが
お送りできるWガーゼは販売単位(50cm以上10cm単位)から、最大2柄(各50cm×2)。

ふつうにつくると、同じ柄が2枚ずつ出来上がってしまい、「どっちが何用だったか」わからなくなってしまいます。
このあらたな「制約」から、あたらしいアイデアが生まれました。

それが「額縁キッチンクロス」です。
Wガーゼは基本的に表裏がありません。そこをいかして裏側になっている面を縁に折り返して
2種類のWガーゼで4つの柄のキッチンクロスが出来上がるというわけです。

迫力の大判サイズはキッチンタオルにもなります。

ふんわり、くったりしてるので

ぎゅんぎゅん水気を吸い取ってくれます。

すこしですが、fab-fabricらしく、メール便の可能性が広げられたような気がします(笑)

 

今回ご紹介した「額縁仕上げ(三つ折り)」のやりかたをわかりやすく「折り紙」で解説します。

①アイロンで縁の出来上がりを三つ折りにして

②折り山に印をつけて

③一旦ひらいて

④印をあわせて中表に折り、できあがりの角から折り山の印までを縫い合わせて

⑤縫い代は1cm残してカットして

⑥ ⑤の縫い代を割って

⑦角を指先で押さえたまま表に返して、目打ちで角を整えて

⑧折り山の際にステッチをかけて

⑨完成

 

製作のまとめです。

<材料>
コットン&リネン×ストライプ(ブルー)×Wガーゼ(@1,180×0.5m)
コットン&リネン×ストライプ(ネイビー)×Wガーゼ(@1,180×0.5m)

そのほかの材料
リネンテープ15cm×4=60cm

 

<つくりかたのポイント>
クタクタっとしてるので、多少ステッチが粗くても
逆に味になります(笑)
ていねいに、というよりもつかっているうちにほどけないように
しっかり縫い合わせるのが唯一のポイントです。

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