前回からの続き、「さり気なく甘い服」(笹原のりこ著・文化出版局)から
表紙のシンプルなワンピースをつくりながら、裁断のコツをまとめています。
今日は接着芯の貼り方です。
接着芯を貼る理由
<理由1>布の伸びや型くずれを防ぐ
<理由2>布にハリをもたせてシルエットをきれいに保つ
つまり、布を補強するために貼ります。
シャツであれば、衿・カフス・前立てが貼る部分になります。
どうやって貼る?
袖ぐりや衿ぐりに貼るテープ状のものはそのまま貼ればOk。
問題は衿など小さめのパーツ全面に貼る場合。
「パターン通りに切って貼る」それでもいいのですが
基礎の基礎としては「粗に裁って貼る方法」をおすすめします。
「粗に裁って貼る」とは?
<ステップ1>表布と接着芯を型紙に1cmの余白をつけるイメージで粗(ラフ)に切る
(左が表布、右が接着芯。表布を接着芯の上にのせてハサミで切ったところ)
<ステップ2>表布の裏面に接着芯をアイロンで貼り付ける
アイロンは最初は中央からかるく押し当て、すべらせず10秒ほど置くイメージで定着させる
<ステップ3>表布に接着芯が貼れたら、型紙にもう一度あわせて、型紙通りに切り抜く
「粗に裁って貼る方法」をおすすめする理由=接着芯は縮むことがあるから
接着芯には「織り地タイプ」「ニット地タイプ」「不織布タイプ」やテープ状になったものなど
いくつか種類がありますが、いずれも接着面(片面もしくは両面)に接着剤がついていて
アイロンで熱を加えることで接着剤が溶けて布に定着します。
そのとき、接着芯が縮んでしまうことがあるので、先に接着芯を表布に貼っておいて
裁断する方が「正しく裁断できる」というわけです。
また、接着したあと熱があるうちに切ってしまうと、縮みきっていないこともあるので
「かならず冷めてから」切るようにしてください。
fab-Tube動画にまとめました。
次回はこのワンピースを縫製して完成させます。
ここで「ソーイングほんとに基礎の基礎」はひとまず完結。
ソーイングのテキストであれば、以降「縫い方」「始末の仕方」のテクニックについて半分以上のページを割きますが
僕が勉強して気づいたのはテクニックは単体は理解できても、「で、これはいつ使うの?」となってしまうこと。
「技術は使う場面で使われてこそ、技術」
といわれているかどうか知りませんが、実際にいろんなものをつくりながら、そのコツを写真・動画でご紹介すれば
「究極のソーイングテキスト」ができあがる、と考えました。
さらに使うミシンは職業用ミシン、ロックミシンを封印し、家庭用のコンピュータミシンだけ。
と、コンセプト・内容はがっちり固まってますが、シリーズ名が浮かばない。。。
字数的には「ソーイング○○○○△△の△△」なんですが。。。