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BOOK #008 東京右半分(都築響一 著・筑摩書房)

WEB版のみになっても続いているダカーポの人気企画「THE BOOK OF THE YEAR 2012」が 発表されました。

 

何気なく見ていたところ、なんと9位に「東京右半分」(都築響一 著)がランクインしていました。




この本は筑摩書房のWEBサイト「webちくま」の人気連載をまとめたもので、連載中からのぞいていました。
注目すべきはそのボリューム(576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!)です。
お値段は税込み6,300円と少々はりますが、時代を切り取った資料としての価値を考えると
安いくらいです。

 

内容はほんとうに多岐に渡るので、本のエッセンスが凝縮された序文をご紹介すると。。。

なるべく都心から近いこと。なるべく家賃や物価が安いこと。
エネルギッシュな町が生まれる要素は、このふたつしかない。
いまの東京の若者たちがみずから見つけつつある新たなプレイグラウンド、それが「東京の右半分」だ。
この都市のクリエイティブなパワー・バランスがいま確実に東、つまり右半分に移動しつつあることを、君はもう知っているか。(序文より)

さらに
獣が居心地のいい巣を求めるように、
カネのない、でもおもしろいことをやりたい人間は、
本能的にそういう場所を見つけ出す。
ニューヨークのソーホーも、ロンドンのイーストエンドも、
パリのバスティーユも、ようやって生まれた。(同じく序文より)

ちょうど、去年の今頃、雑居ビルの1室を借りてfab-fabric sewing studioという屋号は決めていたものの
棚はおろか、布地も1本もない部屋で、まだ見ぬお客さんのことをイメージしていた自分と重ね合わせてしまいます。
(棚をこう置いて、ミシンをこう置いて。。。?ところで、布は何種類ぐらい置けるのかなぁ。。。そんな感じでしたが)

 

オープンして半年。
看板もない、端から端まで往復30歩しかない雑居ビルの1室。
自分でやっていながら、お客さんが来られるたびにびっくりして
「どちらでお知りになったのでしょうか?」 と聞いていますし
お客さんも「こちらの布は売ってもらえるんでしょうか?」と聞かれてしまう
ふつうの布屋さんではありえない、やりとりが時々展開されています(笑)

元をたどれば、「布屋さんをやってもらえないだろうか?」と誰から頼まれたわけでもなく
「こんな布屋さんがあったら、喜んでくれる人がいるかも?」と自分たちで勝手にはじめたわけで
縁もゆかりもない全国のみなさんがWEBを見てご注文を頂けること自体、不思議といってはなんですが
有り難いことだと本当に思っています。

そして、この本に登場するお店に共通するのも「誰かに頼まれてはじまっていない」こと。
趣味が高じて。。。使命感にかられて。。。なんとなく。。。
動機はいろいろですが「(自分も・みんなも)おもしろいかなぁと思って。。。」というような
自分起点ではじまって、お客さんに支えられている。
本の中で取り上げられているのはややディープな世界のものが多いんですが
ギアの入れ方としては僕も基本的に同じ(おもしろいかなぁが起点)です。

最近はリピートで布をご購入頂いたり、fab-Tube動画参考になりますの応援メッセージを頂いたりで
実感がわいてきました(本当にありがとうございます)
これからも走りながら、いろいろお役に立てそうなこと考えていきますので
よろしくお願い致します。

 

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