福岡もようやく、秋めいてきました。
朝夕の凛と、澄んだ感じは目線も上がって、なんとも心地よいものです。
ひんやりしてくると、ビエラやフランネルといった、起毛した布地のご注文が増えてまいりますが
こちらのトリプルガーゼもお忘れなきように、ということで作例のご紹介です。
まず、ポイントとなるのが、このやわらかな風合い。
仕入の際、布地見本をさわって思わず、「おおっ」と声が出てしまいました。
天然素材は使うほどに風合いが増していきますが、こちらのトリプルガーゼは
最初から、風合いが増した、「あの感じ」(使い続けて、織り糸がほぐれて、
クタりと、やわらかくなった、あの感じ)のやわらかさがあります。
コットンのガーゼといえば、夏の素材のイメージがあるかと思います。
一般にガーゼの織り糸は撚りがあまく、織りの組織的にも密度が低いので
Wガーゼを含め、薄手のものは吸湿性、通気性に富むことから
暑い時期に向いた布地といえます。
ただ、3枚のガーゼが接結された、こちらのトリプルガーゼはその接結部分に空気を含み
布地に空気の層ができるので、ひんやりとしたこの時期にも、ふんわり、あったか。
これはウール繊維の縮れ(クリンプ)が、「空気を含み、あたたかい」という原理と同じです。
極上のやわらかさとともに、空気が織り込まれたトリプルガーゼ。
ひんやりの季節に、ふんわりおすすめ致します。
それでは、製作のまとめです。
<材料>
コットン×無地(エンジ)×トリプルガーゼ_全3色(@1,510×1.4m=2,114yen)
<パターン>
オリジナルパターン(現在のところ、未発売です)
<つくりかたのポイント>
やわらかい風合いをいかして、衿や前立て、カフスに、接着芯をつかわずに仕上げています。
<製作時間>縫製〜完成
9時間