型紙の写し方。
前回に引き続き、「さり気なく甘い服」(笹原のりこ著・文化出版局)から、表紙のシンプルなワンピースの型紙(パターン)を
写していきます。
前回は型紙(パターン)をハトロン紙に写し取るところまででした。
今の段階では「写し取ったパターン」は仕上がりのサイズで、縫製のための「縫い代」がありません。
今回は「縫い代」の付け方を中心にまとめます。
縫い代の幅は部位、パーツ、生地の厚さによって違ってきますが、基本はパターン集の作り方のページに幅の
指定があります。(写真は裁合せ図のページ・裁断をするときのパターンの配置例もあわせて書かれています)
縫い代をつけるには2つの方法があります。
1つは「生地自体に縫い代をチャコペンでつける」方法。(以下、チャコペン方式と呼びます)
2つめは「仕上がりサイズのパターンに縫い代をプラスして書き入れる」方法です(こちらはパターン方式です)。
おすすめはズバリ、「パターン方式」です。これ一択といっても大丈夫です。
では、なぜチャコペン方式はおすすめできないのか?
それは、つくる度に「縫い代」をつけないといけないからです。単純に面倒だからです。
服飾学というアカデミックな視点では「まぁ、なんて乱暴な!」と、怒られそうな発想ですが
はじめてつくる1着から仮縫いさせられた日にやぁ、日が暮れらぁってことです。
チャコペン方式の例
お気に入りのワンピースが1着できたら、違う布地でもう1着つくってみたくなりますよね。
でも、縫い代付けから再スタートとなると、気が重いじゃないですか。
だから、パターン方式。
ただし、縫い代は正確につけてください。
パターンは上からなぞるので、余程じゃない限り致命的なことにはなりませんが。。。
縫い代はパターン集の指示通りに自分で線を引き足していくので、いい加減にやっちゃうと縫製の段階で???な
ことになってしまいます。
あとはパターン集の指示通りに引いてください。。。終了と締めたいところですが、今回もいくつかコツがあります。
使う道具は、パターンを写すときにつかったものと同じ。
基本的な手順は。。。
1)直線から、長いものから引いていく
2)直線を引き終わったら、カーブを引いていく
3)引き終わったら、切り出す
です。
なんでもなさそうですが、コツを知っていると知らないでは雲泥の差が出てきます。
ポイントは「直角」と「カーブ」です。
直線を引くのは難しくありません。
透明な方眼定規の1マス5mmを透かしてみて、指定の幅でシューーーーーーーー。
そして、以下の写真のように縫い代の幅が違っても、隣り合った2本の縫い代が「直角に交差」しているときは問題がありません。
ただし、直線の縫い代とカーブの縫い代が隣り合ったとき(角が鈍角になったとき)には注意してください。
こんなとき、縫い代幅1cmの直線をそのまま曲線の終点とつないでしまうと(仕上がりサイズの角から斜めに1cm)
縫い代が短くなってしまいます。
これをふせぐために、 直線の延長線と曲線の延長線が直角に交わるところまで、線をきちんと引いてください。
こんな感じです。
カーブは直線定規をずらしながら引いたあと、カーブルーラーをつかうと、よりきれいにカーブが描けます。
ここまでくれば、あとは切り抜くだけ。。。
はて?ハサミ?カッター?
全部ハサミでもかまいませんが。。。
直線はカッター、曲線はハサミの方が作業が早いし、正確にカットできます。
このときとき使う、ハサミ。「裁ちばさみ」は絶対に使わないこと。極端に切れ味が落ちます。絶対、文房具のハサミを使ってください。
今回の型紙5枚完成です。
布目線や処理の指示など記入漏れがないかチェックして、終了です。
長くなりましたが、ソーイングの教科書にもいろいろ方法が書いてあって、僕自身、どっちがいいの?と悩みました。
正確に、と思うばかり、ときにクドく、文体も定まらない、冗長な説明ですが、どなたかひとりでも
「なるほど、ひとつやってみるか」と、なってもらえれば幸いです。
最初に貼ってよ!って怒られそうですが、1分30秒にまとめました(笑)
次回は裁断です。